翌日は8時半頃ホテルを出て、さまざまな乗り物を乗り継ぎ、3時頃大阪会場内にあるホテルにチェックイン。公演会場でマーガレットからの電話を待とうと思い、一人でとぼとぼとゼップ・大阪まで移動。2階席も解放されていたので、そこでリー・スクラッチ・ペリー・エンド・マッド・プロフェッサーを聴く。普段全く聴かない音楽なので、こういう機会に聴いておこうか、くらいの軽い気持ちで臨んだのだが、これがすばらしくて本当にびっくり。自然に身体が踊っている。リズムの持つ普遍的パワー、原初的エネルギーにすっかり魅了された。
そうこうするうちにマーガレットとも連絡が取れ、ゼップの楽屋前で落ち合うことに。マイク、デニス、マークが一足先に着いていたが、開演前なので邪魔してはいけないと思いずっと廊下にいた。開演間際にマーガレット達もやって来て、やがてバンドはステージに。今回はステージ袖で聴かせてもらえるということで、私もくっついていく。今回も若い人が大勢来てくれていて嬉しかった。
落ち着いて2回目を聴いてみて、デニスとマイクのリズム・セクションがすごい。MC5のライブが2004年の今でもコンテンポラリーでアカ抜けている秘密は、ベースとドラムにあることを実感した。それからステージ側からオーディエンスを見ていて、最前列のかわいい女の子というのがいかにバンドを盛り立てるかわかった。彼女達を見ているだけで私まで嬉しくなった。
初日と同じようにエヴァンにはハラハラさせられたけれど、彼が歌った Looking At You は、私にとってこの日のハイライトだった。ステージ上の彼は、あたかも狂気を装うハムレットのようで、この歌の歌詞が持つ暗いアブなさにエヴァンのスタイルがよくマッチしていてドキドキした。
ゲスト出演が噂されながら、東京では出てこなかったデイブ・ヴァニアンだったが、この日はセット終わり近くなってステージ袖に聴きに来た。MC5側にとっても全くのハプニングだったようで、アンコールをいっしょにやろうということになり、Tonight を歌う。会場は思いがけないボーナスに大喜び。皮肉なことに、ツアー中に歌詞カードが盗まれ、唯一歌詞を書いた紙がなかったのがこの歌だったそうだが、あやふやなところもうまくまとめて短く切り上げ、大興奮のうちにDKT/MC5 日本公演は幕を閉じた。