ほぼスケジュール通りにDKT/MC5登場。会場からはおお〜っというどよめきの声が上がる。先程と変わらぬ横縞Tシャツ姿のウェインが歌う Rambling Rose で始まった。MC5時代のオープニング・ナンバーとしておなじみのこの曲にオーディエンスは大喜びで会場はたちまち盛り上がる。全体的にボリュームが小さい感じだが、それでもウェインのギターの切れ味はすばらしく、デニス・トンプソンのタイトなドラムもすごい!

2曲目はマイクが歌うI Can Only Give You Everything で、MC5時代からのこのゼムのカバーを、マイクはルミナリオス在籍当時もライブで歌っていたのだが、それを聴いていない大部分の人には、マイク・デイビスの「声」を聴くのはこれが初めてだったろう。音量が小さいのに気づいたのか、スタッフにさかんに注文を出していた。
「広報」が足りなくてご存じなかった人もいたようで申し訳なかったが、サイド・ギターで参加したのはレディオ・バードマンのデニツ・テックです。デトロイト出身の彼は、昔 New Race というバンドを組んでデニスとツアーしたり、ウェインと Dodge Main を録音したりしているMC5ゆかりの人。
ボーカルはマッドハニーのマーク・アームとレモンヘッズのエヴァン・ダンドゥ。ロブ・タイナーのボーカルをこよなく愛するファンは物足りなく感じたかもしれないが、敬愛するファイブの音楽を一生懸命歌うマークの姿には好感が持てたし、エヴァンはかなりフラフラしていたけれど、あれが彼のデリバリー・スタイルなのだと理解すればあの危なっかしさはそれなりにスリルがあってよかった。どの曲も2004年の今ライブで聴いても新鮮で、Shaking' Street や、High School なんていう楽しいポップ・ナンバーを聴くにつけ、メジャーに在籍してこういうレパートリーを持っていた実力派のバンドがどうしてビッグになれなかったのかと思う。Kick Out The Jams のグルーヴと興奮は言うまでもなかったけれど、自分にとってこの日のハイライトは何と言ってもレイ・チャールズのカバー、I Believe To My Soul だった。MC5は昔この曲を頻繁にやっていた。彼らがこの日演奏したその卓越したブルースは「俺達はデトロイトのバンドだ」という有無を言わさぬヴェテランのパワーが感じられ鳥肌が立った。ウェインが歌う Rama Lama (オーディエンスを3組に分けて合唱!)でひとまず終った後、アンコールはなさそうな雰囲気だったがそれでも拍手を続けていたら、再び登場! American Ruse で終了した。

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