Cocaine Blues (2000)
TOTAL ENERGY NER 3028
  1. If You're Going To The City (Mose Allison)
  2. Heavy Music (Bob Seger)
  3. Cocaine Blues (Trad./Memphis Jug Band)
  4. Kick Out The Jams (MC5)
  5. Do you Love Me (Gordy Jr.)
  6. East Side Girl (Wayne Kramer)
  7. The Harder They Come (Jimmy Cliff)
  8. Too Late (Farren/Kramer)
  9. Get Some (Farren/Kramer)
  10. Ramblin' Rose (Wilkin/Burch)

「コカイン・ブルース」とは、コカイン常用により発症する鬱状態を指すドーピング用語である。MC5とミック・ファレン関連のアルバムを数多くリリースしているカリフォルニアのレーベル、トータル・エナジーから2000年にリリースされた。

トラック1〜4がディングウォールズでのライブ。

5〜8がレーダーでレコーディングされたスタジオ録音で、6と7がシングル・リリースされた。

9と10は、例の共同レーベルからリリースされたチャリティー・シングルの両面トラックである。

ウェインの逮捕前後の音楽をひとまとめにしたコンピレーション盤で、編集には彼自身があたっている。ディングウォールズでのライブのバックは、ピンク・フェアリーズ。ミック・ファレンの「ザ・デヴィアンツ」が分裂してできたハードなサイケデリック・バンドで、メンバー・チェンジが激しかったがとにかくこの時は、アンディー・コルクホーン(B)、ラリー・ウォリス(G)、ジョージ・バトラー(Dr)というラインアップだった。刑務所から出て来て間もないウェインの生き生きした歌声が印象的な一枚。ジミー・クリフのカバー "The Harder They Come" は、この時期のウェインを代表する曲で、ジョニー・サンダースと結成したユニット、ギャング・ウォーでも頻繁に歌っていた。圧制に屈しないスピリットを歌うこの曲、「操り人形として生きるより、俺は死して自由を選ぶ」という歌詞は当時の彼の気持ちにぴったり当てはまったのだろう。

ウェインとミック・ファレンがそれぞれライナー・ノーツを寄せている。ウェインのライナーは淡々としてとてもいい文章なので、対訳を掲載する。ファレンの方も大変面白いので訳したかったが、この文はそっくり彼の最新著作、60〜80年代のロック・シーンを回想した自叙伝 Give the Anarchist a Cigarette に入っていることもあり、著作権の事などご本人にもう少し確認した上で OK なら掲載したいと思う。>>>ファレン先生より快諾の返事を頂いたので、対訳を掲載する。