過激派
原理主義者
政府が地球規模で行なってることを
町の中でやってるだけ
爆弾好きのリーダーは
爆弾好きの国民を生む

「パリが爆破された日」
作詞作曲 ウェイン・クレイマ−

2005年8月、ウェイン・クレイマーはロサンジェルスのウェスト・サード・ ストリートにあるファーマーズ・マーケットにおいて3回のフリー・ライブを行った。 ロサンジェルスに数多くあるファーマーズ・マーケットの中でもここは最も古く、アウトドア型ショッピング・モール「グローヴ」も隣接していて、 噴水広場やデパート、レストラン、映画館などが軒を連ね、多くの観光客や地元住民が訪れる場所である。毎年夏になると「サマー・ミュージック」の企画として、毎週金曜日の夜、ウェスト・パティオという一角で無料のライブ演奏を提供する。 DKT/MC5としてブラジルのロック・フェスティバルに出演するためロサンジェルスを離れていた第2金曜日を除き、ウェインはこのイベントに3週にわたって出演した。その初日、8月5日のギグを 見てきた。
単身ロサンジェルスを訪れるのは2回目。車社会のこのだだっぴろい都会で運転免許を持っていない自分は、前回の訪問で暗くなってからあちこち移動することの不便さを痛感した。街中や郊外で流しのタクシーを見つけるのは難しく、だいいちそんなものを捜して夜ウロウロしているのは危険なのだ。そこで今回は友人の友達であるケビン・グロスマンをドライバーとして雇った。L.A. 在住のケビンはパンク・バンドでギターを弾いていたこともあり、ドイツのレーベルからCDも出している。かと言って決してパンク一辺倒ではなく、好きなのはジャズで、スウィング・ダンスの教室にも通っていたことがあるという。ゴツい外見に似ず細やかに気が利く好青年で、その有能な運転手ぶりにすっかり感心してしまった。
ロサンジェルスに到着したのは8月4日。着いた日の晩は、ケビンと共にパサディナにあるマイク・デイヴィス宅に招かれて夫人アンジェラの手料理をごちそうになる。スヴェンガリー・ミュージックの代表でもあるアンジェラに、今回は 仕事場も見せてもらった。離れのような場所に所狭しとTシャツやCDなど、 MC5関係のグッズが並んでいた。片隅が小さなスタジオのようになっていて、マイクのベースが立てかけてあった。MC5の写真数枚と、紙マッチ、ピン・バッジをもらった。マッチとピンは多めにもらってきてキャプテン・トリップ・レコーズに渡したので、キャプテンでウェイン・クレイマーかロブ・タイナーのCDを注文すれば、どちらか、あるいは両方がついてくるはず。マイクは最近C型肝炎に感染していることが判明し、現在はインターフェロンの治療を受けている。薬の副作用で非常に困難な日々を送っているが、「この治療法を受けることを躊躇する患者を勇気づけるため」に、その体験を「インターフェロン・ファニー・ガイ」と名付けたブログで赤裸々に公開している。たびたび訪れるという副作用による鬱状態にも関わらず、この晩は快活にホストを務めてくれて嬉しかった。アンジェラの息子たち、猫のスプーキーや2匹の犬も登場し、とても楽しくすっかり長居してしまった
翌日はウェインのギグの日だったが、昼間は暇だったので、ディーディーとジョニー・ラモーンのお墓参りに行くことにした。2人ともハリウッドのフォーエウ゛ァー・セメタリーに葬られているのだ。地図を買った案内所の男性に位置を説明してもらう。2つの墓は互いにすぐそばにあるというのだが、ジョニーの方はご覧の通り、遠くからでも目につくハデな墓石ですぐに発見できたのに、「あまり目立たない」と言われたディーディーの墓がやっぱりどうしても見つからず、心残りだった。帰国してインターネットで調べてみたらそれほど地味な墓石でもなく、見つけることができなかったのは残念。

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