MD: リッチから"3000 Germans. . ." を追加で何枚かもらったから送るよ。リラックスしたライブ盤だ。重い作品じゃない。気軽に聴けるから何かしながらかけてみてくれよ。いい音楽だぜ、クールだ。パッケージもすごくいいと思うよ。リッチがデザインしたんだ、ビートルズっぽい感じにな。35ミリカメラでツアー中に撮影した写真だ。広告代理店が作るような、やたらプロフェッショナルで洗練され過ぎた作品じゃない。すごくアット・ホームな感じだ。なんかこう、人を惹きつけるものを持ってるんだよ。ドイツのローリング・ストーンが、すごく好意的なレビューを載せたんだぜ。

KS: 聴くのを楽しみにしてますよ。ルミナリオスの音楽って、アリゾナ、つまり僕が想像するアリゾナを彷彿とさせる絶対的雰囲気を持ってますよね。広大で開けた感じ。デニスが「完全に解き放たれた」音楽って言ってましたけど、その通りだと思います。

MD: 俺たちの音楽ってのはすごく音色重視なんだよ。音の調べを大切にしてるんだ。だから特定のアプローチやスタイルを持たないのさ。耳にとても心地いい、サウンドの景色みたいなものを追求してるんだ。スタイリッシュでもファッショナブルでもないが人間の五感にマッチするような音だ。音楽の目的ってそれだろ、それが俺たちの主張だよ。

KS: リッチがルミナリオスを始めてどれくらいになるんですか?

MD: 最初はサイドウィンダースってバンドだったんだ。それがサンド・ルビーズになりそれをやってる途中、最初に解散する直前に、リッチはもう一つバンドを組もうって考えた。そっちは彼が自分自身や自分の作風を全面的に出せるような、かねてから夢に描いてたようなバンドにしたいと考えたんだ。で、スタジオでレコーディングをするためにメンバーを1人1人集めるところから始めたんだよ。ルミナリオス1作目は、実質サイドウィンダーズのメンバーで作ったと思う。で、その後新しい曲を録音するたびに他のプレイヤーとやってみるようになったんだ。奴がそういうことを始めたのは確か88年か89年くらいだから、いろんな組み合わせでかれこれ8〜10年も続けてるってことになるな。

KS: で、あなたが加わったのはいつだったんでしょう?

MD: 俺が入ってるバージョンのルミナリオスってことかい?今3年目だよ。もう2年半いっしょにやってる。98年暮れで丸3年になるんだ。いいことだと思うよ、つまりどんなバンドでも、ひとつのアイデンティティーを確立するのに大体3年かかると思うんだ。落ち着いて、何をやりたいのか、どういうサウンドを求めてるのかわかるまでにな。気持ちのいいスタートを切るのは簡単だが、その気分を発展させ、一つのアイデンティティーを持つ邪魔になる余計なものを取り払うには時間がかかるのさ。だが、アイデンティティーというのは何が何でも持たなけりゃならないものなんだ。ルミナリオスではこれまでに、ずいぶん多くの人間と知り合えたよ。デイブ・シーガーは、ネイキッド・プレイってタクソンのいいバンドがあるんだが、そこのギタリストだ。ステファン・ジョージは、優れたスライドギター・プレイヤーで、シンガーソング・ライターだ。いろんなドラマー。そしてギタリストのジンボ、エル・パソでいっしょにやったジム・ギブソンのことさ、[ドラマーの]ブラッド・ケンプも...いろんな違うメンバーとやったよ。ミネアポリスから参加したギタリストのケント・ミリッツラーとドラマーのトム・クック。変わらないのは俺とリッチだけだな。ルミナリオスってのはある意味でアート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズみたいなもんだ。才能にあふれたいろんなプレイヤーが次から次へとレコーディング・スタジオの回転ドアから入ってきては去って行った。すばらしい体験だよ。

KS: 「ケアレス」と「アポロジー」を作った時のことを話してくれましたよね。

MD: ああ、うん、俺が加わった最初の作品だな。96年の始めだ。当時の俺のガールフレンドが美容院に勤めてて、リッチ・ホプキンスの散髪を担当してたんだ。俺は直接彼と会ったことはなかったが名前は知ってて何回かギグにも行ってたし、彼は俺が昔MC5にいたってことを知ってた。で、俺の彼女が奴の髪を切ってたんだよ。ルミナリオスとして初めてのドイツ・ツアーから帰国したばかりで奴のベーシストが他のことを始めたらしくて、リッチは新しいベーシストを捜してた。で、俺のガールフレンドが「マイクに電話してみたら?興味を持つかもしれないわよ、ずっとやってたブルース・バンドから離れたばかりだから、ちょっとロックンロールをやりたいって思い始めてるとこかもよ。」とか言ったんだろう。しばらくして電話がかかってきて、俺もかかってくるだろうと思ってたから「うん、すごく興味があるよ、どんな音楽をやってるか知ってるし、いっしょにやったら面白いものができると思うよ。そっちのギターの弾き方にすごいぴったりくるベースを弾く自信があるぜ」って答えた。

彼との最初のプロジェクトは、ドイツのフィリップ・モリスがマルボロのプロモの一環で依頼してきた仕事だった。ニュー・メキシコのサンタフェで開催予定のプロモ・イベントで使うから、水に関係した作品を作ってくれっていうんだ。で、自然に関するメッセージを盛り込んだ歌を作曲して欲しいって、ツーソンのいくつかのバンドに依頼してきたんだよ。それで水に関するアルバムとして「ケアレス」を作り「アポロジー」もその時書いた。でも「ケアレス」のほうが採用され、それがたまたまドイツでCDとしてリリースされたんだな。それがあるコンテストで使われたんだ。懸賞がアメリカ南西部のことを学ぶアメリカ旅行で、そのコンテストの関係者がそのCDを取り上げて全曲レミックスしてあらためて紹介した。で、その後起こったことをかいつまんで言うと、俺たちみんなマルボロのカネでニューメキシコのサンタフェにある農場に行って、週末ぶっ続けでパーティーをやって、すごく楽しい時間を過ごし、演奏し、たらふく食って、うまいドイツ・ビールを飲みまくったってわけだ。リッチとはそういう風に始まったから俺はほんとにいい気分だったし、以来ずっとそうやって続いてるよ。

KS: (歌詞作者/シンガー)のビリー・セッドメイアのことを少し話してくれますか?

MD: (笑)う〜ん、最初に思い浮かぶのは、とにかくビリーがシーンに復帰したってことだな。シャバに戻ってきて、リッチが言うにはうまくやってるって話だ。今度こそちゃんとやっていけそうで、今出てきたばかりの場所にもう2度と戻るつもりはないし、今は幸せで健康だって。それこそ手始めに俺たちが望むことだよ。「エル・パソ」や「グロリアウス・デイズ」といった奴が手がけた作品を聴いてわかってると思うが、ビリーは恐ろしいくらいの才能に恵まれたソングライターだし、優れたシンガーだ。まったく、俺たちとレコーディングしてた期間、奴が一体どうやってトラブルから遠ざかっていられたのか、想像もつかないよ(笑)。で、とにかく奴は戻って来て、ルミナリオスはまたアルバムを録音するところだし、パーフェクトなタイミングってわけさ。すばらしいソングライターだ。「ホワイト・パウダー・マー」って曲をいっしょに作ったよ。魅力的な人柄だ、奴に関して言えることはそれだね。エネルギーにあふれてて、ものすごく変わってる。イレズミだらけで、あるプロジェクトや仕事に没頭すると、もう止まらないんだ。まあ、やってみて様子をみるよ。ってのも奴の行動っていうのは全然予測がつかないんだ。いい方に向いてくれることを祈るけどな。「ビリーをバンドに入れようか?」っていつも話し合ってるんだが、結論が出る前に奴はブタ箱に入っちまうんだ(笑)。そうやって俺たちの代わりに決定を下してくれるのさ。

KS: 彼はもともとサイドウィンダースのドラマーじゃありませんでしたか?

MD: いや違う、でもいい線いってるぜ。奴は「ジャイアント・サンドウォームス」の最初のドラマーだったんだ。このバンドは後になって「ジャイアント・サンド」になったから、ビリーはハゥイーやレイナーやシーガーとプレイしてたのさ。で、そのうち自分はリード・シンガーとしての方がいけるって思ったんだろうな。一時期奴をルミナリオスのドラマーに据えることを検討したこともあったんだが、実現しなかったね。

KS: 次のアルバムを制作するくらいの期間、自由の身でいて欲しいですね。

MD: ああ、いけると思うぜ。もうビリーと1曲仕上げたってリッチが話してたよ。よく考えるとなんかオカシイよな。ビリーはブタ箱で、奴の監房に腰掛けて狂ったように歌詞を書き、それをリッチに送る。リッチがそれに音をつけ、ビリーが出て来る頃にはスタジオで鳴らしてみるものがもうできてるってのがな。

KS: リッチ・ホプキンスとパラグアイの関係について教えて欲しいんですが。

MD: パラグアイはリッチの心の故郷なんだよ。奴は国連の平和維持軍に参加してた時パラグアイの僻地に駐屯してたんだよ。パラグアイのど真ん中、道路沿いの孤立した町にいたのさ。人々を助けながら欧米人が第3世界でできることは何でもやったんだ、現地の人間を理解するよう努めるとかな。学べることは何でも学んだんだよ。そのうちコンセプチオン・ロメオって男に出会った。フォーク・バラードシンガーみたいなもので、アコスティックを弾きながらパラグアイのラブ・ソングを歌うのさ。で、彼とリッチはすごい友達の絆を持ったんだ。作曲の仕方、歌の書き方を教えてくれたのはコンセプチオンだって、リッチは言うんだよ。つまり2人の人間の間に生まれた本当に温かい深い友情なんだ。パラグアイの文化に対するリッチの愛情ときたら...奴は完璧なガイアナ語を話すんだぜ。ガイアナ語ってのは、メキシコで話されてるスペイン語とさえ全然似てない言語なんだ。リッチにとって地球上で胸がときめく場所、それがパラグアイなのさ。頻繁に訪れてはコンセプチオンに会うわけだ。

俺とリッチで、ステファン・ジョージとコンセプチオンといっしょに1回ギグをやったよ。ツーソンにあるクラブで、アコスティックな奴を。スタジオでも9〜10曲録音して、うち何曲かはそのうちルミナリオスのCDに収録されるはずだ。コンセプチオン・ロメオのCDにはほとんど全曲入るんだろう。リッチがアコスティックを弾き、俺がエレクトリック・ベース、ステファンがコンセプチオンをいっしょにアコスティックを弾いてる。ルミナリオスのアルバムに収録されるバージョンは、ドラムも入れてもっとポップな感じにすると思う。ロックンロールっぽくはないけど、こう、もっと音が入った感じにな。完成がすごく楽しみだよ。こういうプロジェクトはまだ進行中なんだ。すごくロマンチックで、温かみのある音楽、深遠で意味がある音楽だ。本当にすばらしい試みだよ。歌詞は、俺には理解できない言葉だけど、英語で語られるより深い意味を持った含蓄のある内容だってわかるんだ。コンセプチオンの声のトーンでわかるんだよ。全く違った種類の音楽に関われるってことはすごく幸運だと思ってる。

KS: リッチって、いろんな種類の音楽から影響を受けてるみたいですね。ラテン・アメリカ系、それからニール・ヤングからも...

MD: そうなんだよ。ニール・ヤングの曲を集めたコンピ盤をオランダのレーベルが出すっていうんで、俺たち1曲録音したよ。「ライク・ア・ハリケーン」をやったんだが、これが正真正銘、今まで誰も聴いたことがないような音なんだぜ。宇宙音楽だ、とてつもなく美しい音。すごく誇りに思ってるよ、あれを作ったのは。次のアルバムに入れるだろうな、非常に満足してるよ、あれには。全然違う音楽なんだ、ロックンロールとさえ呼べない...とにかく音楽ではあるが、一種のトリップだな、あれを聴いてると映画を観てるような気になるよ。耳にした時、「わぁ、なんだ、これ?」っていうような、夢に出てくるみたいな音楽だ。すごくクールさ。

ルミナリオスの次回作は、俺がこれまで参加した2枚とは全く違ったものになるだろうが、この新しい方向にはほんとに興奮してるよ。歌詞は今までと同じ感じだが、曲のつけ方や、レコーディングの仕方が全然違うんだ。スタジオをサウンドを描く実験室として使うようなもんだな。何でもありで、やりたいことをやってみる。歌詞が浮かんでそうすると...想像もしなかった結果が生まれる。音楽のカテゴリーにとらわれると、頭の中でいつの間にか「こうでなきゃいけない」みたいな考えをしてることがある。でも実はそうじゃないんだ、どんなものでもあり得るんだよ。ポップ・ミュージックっていう表現形式の範疇を飛び越えれば、すばらしい結果が得られる。何かを失うわけじゃない、失うことでさらに多くを得るからさ!

KS: そのニール・ヤングのトラックを映画にたとえるのは面白いですね。確かにルミナリオスの音楽って、ある景色をさ〜っと眺めるみたいな、シネマ的要素がありますよね。

MD: その通りだよ。「アポロジー」や「ケアレス」でさえストーリー性を持ってる。その意味では全部バラードなんだ。聴く者にあるシーン、きみが言うシネマ的要素ってわけだが、それを見せる、あのニール・ヤングのトラックでしたのはそれだ、ただしさらに明白な形でな。制約が少ないところで、違ったパラメーターで...とにかくそれを1歩押し進めたんだ。目に見え耳に聞こえる形にして。ルミナリオスに関して俺が気に入っている点は、その音楽にストーリー性があるところなんだよ。それを最大限生かしてると言えるな。

KS: 「コーヒー・グラウンズ・エンド・グッドバイズ」って、「エル・パソ」と「グロリアウス・サウンズ」にバージョン違いで入ってますよね。すごく面白いと思います。あの曲がスポークン・ワードをつけて展開されたところが。

MD: そう、最初のはリッチのギターだけ、次では歌詞をつけた...違った作風にするためにな。

KS: 「グロリアウス・サウンズ」にはMC5、ストゥージズ、エレクトリック・プルーンズ、ラブのカバーが入ってますよね。すごく意外だったけどとても好きです。

MD: サンド・ルビーズの演奏スタイルとかカバーの選曲とか...ラブの "7and 7 Is" や、サーティーンス・フロアー・エレベーターズの "You're Gonna Miss Me" が彼らのライブ盤に入ってるし、ビートルズの "We Can Work It Out" なんかをカバーしてたから、サウンドやカバーの演奏スタイルから察してMC5が評価してた音楽や趣味と共通したものを持ってるバンドだって知ってたよ。リッチが初めて電話してきて、奴のバンドでベースを弾く気はないかって言った時、俺たちには共通した部分があるってわかってた。奴らがやってたような音楽を俺も好きだったからさ。狭い意味のR&Bやブルースやヘヴィー・ロックに凝り固まっていない、俺が好きな音だ。だからいっしょにやったらビジネスとしても成功すると考えたし、楽しめると思ったんだ。完璧だよ、"Too Much To Dream" そのものだった、つまり...ったく、エレクトリック・プルーンズだぜ?俺が死ぬほど好きなガレージ・バンドだった。"Too Much To Dream" はいつだって俺にとってガレージ王国の国歌だったよ!それをリッチはカバーしたいって、考えてるって言ったんだぜ。「いいじゃないか!やろう、やろう!絶対やろう!!」って答えたよ。そんなわけで趣味が一致したし、出発地点としては最高だったんだ。そう、「グロリアウス・サウンズ」にはラブのカバーも入ってる。"A Message To Pretty" だ。あれをやるってんで、俺は昔のラブのカセット・テープを引っ張り出してあらためて聴き直したんだ、何回も何回も。またもや、もう完全にマイっちまったよ。

KS: ルミナリオスはヨーロッパですごい人気ですよね。どうやってあれだけのファンを獲得したんです?

MD: リッチの友達でクリス・カカヴォスって男がいて、知ってるか?グリーン・オン・レッドってバンドだ。そいつはそのバンドにいるんだが、彼がリッチにルミナリオスと来てグリーン・オン・レッドのツアーで前座をやらないかって声を掛けてきたんだよ。ケントがセカンドのリードギターで付いて来たのがこの時だ。だからこの時はカカヴォスの関係、グリーン・オン・レッド関連の仕事がメインだった。で、ルミナリオスが向こうにいた間にリッチはエネミーっていうヨーロッパのレーベルと契約を結んだんだ。そして翌年リッチがまたヨーロッパに行った時、(俺が把握してる限りでの話で、もしかすると実際は少し違うかもしれない)その時ドイツのクラブでブルー・ローズを運営してる男の友達の一人に会った。そいつはそのブルー・ローズの経営者に「ものすごい奴がいる、絶対契約しろ」って勧めたんだな。で、ツアーが終わってアメリカに戻るとリッチはブルー・ローズから電話をもらった。俺とリッチが連絡を取り合うようになり、スタジオでいっしょに作業し始めたのがちょうどこの頃だ。そしてリッチに契約を持ち掛けた。ルミナリオスがブルー・ローズと契約したのはそういう経緯だよ。

今回でドイツは4回目だ。行くたびに少しずつ人気が高まってるような、上向きになってる感覚がある。超大人気ってわけじゃないが、メンバー全員ほんとに満足してるよ。ファンは増えてるし、これからも増えるだろう。ヨーロッパ人てのは...アメリカ南西部のロックンロール・サウンドに心底惹かれてるファンの一派がいるんだよ。ジャイアント・サウンドやツーソンのバンドが好きで、ルミナリオスも好きで...南西部出身でさえないのにそのテのサウンドを出すバンドってのはたくさんあるんだ。ブルー・ローズと契約してる中にはニュージャージーのバンドだがテキサスそのものって音を出す奴らもいるぜ。一つのスタイルなんだな、でドイツ人はこのスタイルがものすごく好きなんだよ。アメリカ南西部のもの一般にすごく魅了されてるんだ。特に南西部にはロマンチックな逸話とか、魔法とか伝説がたくさんあるだろ、神秘的な場所ってわけだ。だからその種のサウンドを愛する人間のグループがあって、ルミナリオスも切磋琢磨し、ヨーロッパを訪れるたびに前回よりさらにクリエイティブになっていて、しかもパワーを失わない。そんなわけで俺はほんとに満足してるよ。ヨーロッパ人は概して、音楽に対しアメリカ人よりも宗教的なアプローチを取るね。そういう眼で音楽を鑑賞するんだ。アメリカに戻るだろ、するとルミナリオスを知ってるのは同業者のミュージシャンだけさ。こっちじゃ俺たちのファンベースってのはないな。

KS: ちょっと話が飛びますけど、僕が聴いたルミナリオスの2枚のCDのそれぞれに1曲ずつあなたが作った歌が入ってますよね。(「エル・パソ」に「ホワイト・パウダー・マー」、「グロリアウス・サウンズ」に「ラエンナ」)あの2曲はなんか自伝的ですよね。次のアルバムにも同じようなものを入れますか?

MD: ああ、ルミナリオスの次回作にもマイク・デイビス・ソングが入るぜ。自伝的なやつがな。

KS: 書いた曲は多いんですか?ロン・アッシュトンがプロデュースしたエンプティー・セットのアルバム「シン・スリム・エンド・ナン」にあなたが書いた「ロッキン・ザ・クレイドル」が入ってたのは知ってるんですが。

MD: ああ、違うバンドで違う曲を書いてたよ。当時書いてたような作風はああいうバンドに合ってたと思う。だが、今ルミナリオスでやってることはちょっと違うんだ。同じ金型から曲を作るけど、それがルミナリオスに適切かってことを...スタイルが違うんだよ。今も学んでるんだ。うん、今までいろんなバンドでいろんなことをやってきたけど、音楽に関して言えば今ほど自分がしてることに可能性を感じたことはない。MC5は、あれはもう驚異的だった。ある意味で社会的驚異だった。俺の前にたまたまMC5というものがあり、頼まれて入ったわけだ。だが、今ルミナリオスでやってることには音楽として心の底から熱意を感じてるんだ。新しいアルバムを制作するのもものすごく興奮する。目下作ってるアルバムのことだけじゃなく、将来作っていく1枚1枚のことを考えるんだ。リッチとの人間関係やルミナリオスがやってる全てのことにとても満足しているよ。メンバーは入れ替わるから次に誰が来るかわからない、だがルミナリオスの核は常に俺とリッチなんだ。このバンドにいる限り、俺はそれで幸福だよ。

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