雑事に追われて長い間手を付けられないでいたが、このたびやっとアップすることができた。結論を先に言うと、ディスク全6枚合計73トラックのうち、初公開は1トラックのみ、フレッド・スミスがリード・ボーカルを歌っているディスク1収録の "Baby Wont Ya" だけである。

一方同じディスク1に "Train Music"と題されたトラックが収録されており、これは実は "Babes in Arms" 収録の "Gold" と同じ曲なのであるが、イージー・アクションのホームページやアマゾンUKの解説によれば(アマゾンのトラック・リストの曲名は"Gold"になっている)、当ボックス収録バージョンは "Unreleased track + special edit" であるという。自分には今ひとつ相違が判然としないが、ミックスはわずかに違うようであり、それをもって「初公開」と称するなら、Unreleased と言えなくもない。ちなみに、映画 "Gold" のサウンドトラック・アルバムには "Train Music" というインストラメンタル の全く別の曲が収録されている。

さらに「未発表」にこだわれば、ディスク6、100クラブのライブ盤収録の "Skunk"のウェインのボーカルは録り直していると思う。アレンジやミックスも後からかなり手を加えているようだ。その意味で、これこそ陰の「初公開」トラックと言えるのでは。

というわけで、期待したほどの未発表音源がないからこのボックスは買う価値がないかと言えば、そういうことではない。これまで全く節操なくリリースされてきたさまざまな音源をこのように体系的にまとめ、しかも音質も向上しているのだから、これ以前に発表されたMC5のマテリアルを全て所有している人でもこのボックスを購入する価値はあると思う。そして、コンピ盤の何枚かを入手し損ねている人にとっては、この価格なら絶対買得というのがMC5ジャパンの見解である。

さらに特筆すべきは、採用されている(初公開の)写真の数々で、メンバーの表情の作り方とか、ピース&ラブの当時にあってやっぱりMC5というのはタダナラヌ奴らであったと認識を新たにした。

それから、"Purity Accuracy" という 、わかりにくいタイトルであるが、Purity とは純粋(ピュア)なこと、本来の姿、生(き)のままであること。Accuracy は、データや数字が正確、精確であること。つまりMC5というバンドの記録として、そのスピリットとサウンドをありのまま正確に伝えている、ということだと解釈した。各トラックのデータを下記に示すので参考にして欲しい。

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2004年9月にリリースされたMC5ファン待望のボックス・セット「ピュリティ・アキュラシー」。「どれが未発表音源かハッキリさせろ!」という問い合わせを各方面から頂き、しまいにはこれをリリースした当のイージー・アクションから「1セットタダで送ってやるからレビューを載せろ」と催促のEメイルが入った。