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David Peel & The Lower East Side All songs and lyrics by David Peel Produced by David Peel, G.G. Allin, and Alan Chapple あたかも脳波に呼応しているかのように、単純なリズムが妙に頭を離れない。似ているようでどの曲も魅力的。ピールのニューヨーク訛りがいいのだ。キーワードは ジョージ・オーウェルが革命権力と共産主義の狂気を鋭く風刺した小説「1984年」。曲名はどれも小説中に出てくるスローガンや固有名詞である。リード・ギターとしてウェインの他に、Allen Donson と Chris Bovasso がクレジットされている。 ピールの作品は、聴いた中では当盤が最後で、決定的にデビッド・ピールが好きになった。このアルバムを入手するのに彼のレーベル、オレンジ・レコーズに直接注文を入れたのだが、本人から丁寧な手書きの書簡とサイン入りステッカーなどと共に送られてきた。「活動家」ピールのその筆跡が、昔、学生運動華やかなりし時代に大学構内なんかでよく見たタテカンに書かれていた、「過激派文字」(筆跡に個性が出ない書体)によく似ていたのが面白かった。キャプテン・トリップからボックス・セットがリリースされたのを期に2003年12月初来日。新宿のロフト・プラス・ワンで行われたQ&Aセッションに行ってウェインとのコラボレーションについて質問してみた。ウェイン・クレイマーを大変好意的に評価すると共に、「1984年」はピールも大変誇りに思っている作品で、ある日ウェインがこの小説の全く新しい解釈を提示してくれたのをきっかけに彼のアイデアを取り入れてできたアルバムだと話してくれた。 |
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