1994年3月10日
チャールズ・ブコウスキーが死んだ
たまらなく悲しい
寂しくなる 奴はもういないのか あの
詩と
小説と
短編と スポークン・ワードという名の パフォーマンス
ハンクは真実を語った
この世の真実の全て
男と女
希望と絶望
孤独と哀傷
得られた時には 心の平和
酒瓶の底に 女に 部屋の中に
全ての真実を 紙に記した
俺に行き先を教えてくれたハンク
ニューヨーク
スラムのボスの仕事をしてた時
真実の書を見つけ 生まれ変わった
ページの中に 俺がいた
飲んだくれ 失意のどん底
ケチな小銭を手に入れては
イカれた女と安ホテルにシケこむ
ハンクと同じだ
「俺もさ ハンク」とつぶやきながら
おのれの姿を 読んだ
もしかすると自分は
思ったほど 絶望的じゃないのかもと
奴が好きだった
奴の作品が 好きだった
ハンク 俺のなぐさめ
いつだって 俺を完全にマイらせた
今でも
これからも
ロサンジェルス 木曜日 ハンクの町
奴は死んだ 行っちまった
悲しい
だがあいつはいつもそばにいる
俺のために あんたのために
ハンク! 偉大なる暴露者
容赦なき 真実の語り部
短編と小説と詩の巨人
さあ 自由だぜ ハンク
マーキュリーを飛ばせ 奴らを叩きのめせ
飛べ 舞い上がれ 眠れ 夢見ろ
忘れないぜ 絶対
あんたの考えを広めていくぜ
人間ができることで
最良の行為は多分
「親切」なのだと
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