Death Tongue (1991) Curio Records
PRO 023
  1. Take Your Clothes Off (Farren/Kramer/Collins)
  2. Spike Heels (Farren/Kramer/Collins)
  3. Spend the Rent (Farren/Kramer/Collins/Beck)
  4. Negative Girls (Kramer)
  5. Death Tongue (Farren/Kramer/Collins)
  6. The Ballad of Leatherskull (Farren/Kramer)
  7. The Scars Never Show (Farren/Collins)
  8. Fun in the Final Days (Farren/Kramer/Collins)
  9. Who Shot You Dutch? (Farren/Kramer)
「メタリックなアルバムを作ろうと思った」(ウェイン)というこのアルバム、ウェイン・クレイマーのソロ第1作ということになっているがその割に彼の存在感は薄く、ポジショニングに迷う1枚。本人もあまり重視していないのか、インタビュー等でもこのアルバムに触れることはほとんどない。ウェインがリードを歌っているのは9の "Who Shot You Dutch?" の短いフレーズだけ。この曲は例のファレンとの共同製作によるミュージカルのサウンド・トラックだが、何ともファンクで、MC5流のヘヴィーでパワフルなメタリック・サウンドを期待して臨むと思いきりハズす。その他は全て、ジョン・コリンズがリード・ボーカルを歌っている。アルバム全体が昔のニュー・ウェーブっぽいアレンジのリズム・ボックス・サウンドで、ミック・ファレンは後年、合成されたドラム・サウンドを実験的に使ってみたくて録音したが、ちょっとやり過ぎた、みたいなことを言っていたし、ウェインもドラム・マシンの無機質な単調さを認めている。

しかしウェインとミックが手掛けただけあり、曲そのものはどれも凄くいい。特に1の"Take Your Clothes Off" は名曲。98年にエピタフからリリースされたライブ・アルバム "LLMF" でもウェインはこれを歌っている。91年キュリオ・レコードから。