Dangerous Madness (1996) Epitaph Records
86458-2
  1. Dangerous Madness (Farren/Kramer)
  2. Back to Detroit (Kramer)
  3. Wild America (Farren/Kramer)
  4. Something Broken in the Promised Land (Farren/Kramer)
  5. A Dead Man's Vest (Kramer)
  6. The Boys Got that Look in Their Eyes
  7. God's Worst Nightmare (Farren/Kramer)
  8. Take Exit 97 (Farren/Kramer)
  9. It's Never Enough (Farren/Kramer)
  10. Dead Movie Stars (Farren/Kramer)
  11. The Rats of Illusion (Kramer)
エピタフからの2作目は前作よりもアクセスしやすいサウンドになった。ブルース・スプリングスティーンを彷佛とさせるような部分もあるけれど、歌詞ははるかに激烈。ウェイン・クレイマーの決して脆弱でない知性が感じられる1枚。

1 Dangerous Madness のバック・ボーカルはテレンス・トレント・ダービー。あるギター・ファクトリーでウェインに偶然出会ったダービーは、MC5を崇拝しウェインに会ってみたいとずっと望んでいた1人だった。バッキング・ボーカルが必要なトラックが1つある、と言うウェインに、ダービーは即座に参加を申し出た。2のBack To Detroit は、かつての面影もなく荒廃し、都市としての活力を失ってしまったデトロイトに捧げるバラード。とにかく悲しい。こんなに悲しい歌を作るのはやめて!というくらい悲しい。MC5ファンにはとりわけ辛く切ない歌。3のWild America はファレンの作詞で、「アメリカ」という言葉を使った歌詞が書きたかったのだそうだ。5のA Dead Man's Vest は、幼い頃蒸発した実の父親との再会を歌ったフリー・ジャズ・ナンバー。数十年を経てついに巡り会った父は、癌の末期で死の床にいた。7はカッコいいブルース。ウェイン・クレイマーのマイ・ベスト5に入れたい。この曲はミック・ファレンもソロ・アルバム Eating Jello With A Heated Fork "('96)や、Human Garbage ('99)に収録している。