Recorded live on Nov. 23, 1972 at the Kennedy School Gym, Copenhagen, Denmark
2001年11月末にこの盤がeBayのオークションに出ているのを見つけた時は、MC5が数回行ったヨーロッパ・ツアーでデンマークを訪れた時に録音したものだろう、くらいに思っていた。届いたレコードを手にしてみて驚いた。
こういうものが売買されていることを知ったら、ウェイン・クレイマーは嘆き悲しみ、彼のマネージャーのマーガレットは怒り出すかもしれない。
MC5最後のヨーロッパ・ツアー、ウェインとフレッドがたった2人だけで出かけて行った「悪夢」のツアーで録られたブートだった。バンドが解散するたった1ヶ月前の音で、音質から何からボロボロのパフォーマンスを収録したライブ盤である。ロブがいないからウェインがリード・ボーカルを歌っているが、失意と焦躁のギタリストには荷が重すぎる。
この切羽詰まったセット・リストを見よ。収録されている8曲中MC5の通常のレパートリーは3曲だけ。訪れた国の先々で「開演直前に楽屋で初めて顔を合わせる」ベースとドラムでは、こういうセットしかできなかったのだろう。実は自分はリチャード・ベリーの「ルイ・ルイ」が大好きなルイ・ルイ・マニアで、いろんなカバーを集めているのだが、まさかMC5によるルイ・ルイを手にするとは思ってもみなかったのである。
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