コペンハーゲンで乗り継ぎヨーテボリに到着したのは水曜日の晩。ホテルに着くとフューチャー・ナウからメッセージが入っていた。夕食に出てこないかという。このヨーテボリ・フィルム・フェスティバルは、26回を数えるだけあって事務局の手配も行き届き、関係者に食事を提供してくれる場所が用意されているのだ。アメリカ人には珍しく皆すらりと長身のフューチャー・ナウ3人組、監督のデビッド・トーマス、プロデューサーのローレル・レグラー、イグゼキュティブ・プロデューサーのジム・ロームに初めて会う。数々の困難を克服し長い年月を費やしてこの映画を完成させた人たちに直接会えて感激する。

次の上映はニュージーランドとオーストラリアだという。これまでの上映地の中では最も日本に近い。詳細は順次アップしていくので、これを読んでくれている人の中で行けそうな人はぜひ見てきて下さい。日本での上映にもむろん大変興味を持っているという。ただ日本に関してい言えばポイントはやはり情報提供だと思った。日本ではどんなフィルム・フェスティバルがいつどこでどのように開催されるのか、あるいはどんな配給会社があるのか、英語の情報は不足しているに違いない。今後できる限りの協力をしていきたいと思った。

翌日の午後、予約してあったチケットを取りに寒風の中フェスティバル本部となっている劇場「ドラーケン」に出かける。この船の図柄、なんだか七福神が乗ってる舟みたいで日本人には笑えるけれど、こちらはヴァイキングの船ですので悪しからず。会期中の上映は4回、うち3回は日本を出発する時点でもう完売だった。私がチケットを予約したのは、現地での買い方がわからなかったのでたまたま事務局にメイルで問い合わせたら相手が気をきかして予約してくれたからだった。売切れになるとは予想していなかったのでラッキーだった。
チケット・ブースの窓に、上映後スティッキー・フィンガーズというクラブで行われる「MC5パーティー」の案内が貼ってあった。DJとしてヘラコプターズとハイブスのメンバーが来ると、フューチャー・ナウから日本を発つ前に聞いている。ヘラコプターズと並び、同じスウェーデンのバンド、ザ・ハイブスもMC5ファンなのである。上映は夜8時半からなので、しばらく街を散策し、いったんホテルに戻った。寒くてとても長時間歩いていられないのだ。
上映の約1時間前にドラーケンで、ローレルとデビッドに写真を撮らせてもらう。見ての通り、ローレルはユーリズミクスのアニー・レノックスみたいなカッコいい女性、デビッドは気さくでエネルギッシュな新進監督といった風情の人。

上映会場となっている映画館、プスタービク・シネマはドラーケンから歩いて数分の場所だった。小じんまりした劇場でありながら、座席があるスペースを出たすぐ横は居心地のいいバー・スペースになっていて、映画が始まるまで人々はそこで軽く食事をしたり、お酒を飲んだり、ゆったり時間を過ごすことができる。ジムは既に到着していて、Tシャツやキャップなど、フューチャー・ナウ・グッズを広げて販売していた。待っている人たちを観察すると、やはり一部は明らかにロック関係の人々と思われたが、年齢層は20代から30代が大半で、ティーン・エジャーはほとんど見なかった。

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