Vintage Years (1991) NKVD
NKVD 02 CD
  1. I Just Don't Know
  2. One Of The Guys
  3. Looking At You
  4. I Can Only Give You Everything
  5. Borderline
  6. Rock N' Roll Pips
  7. Kick Out The Jam
  8. 19th Nervous Breakdown
  9. Down At The Bogaloo
Played by the MC5
1,2,4: Recorded in 1966 and released on AMG (AMG 1001 in '67 [4/2] and '69 [4/1])
3,5: Recorded and released on A-Square (A2-333) in 1968

Played by the Rob Tyner Band
All recorded live. 6&7 also on Do It (Revenge YAK 5). 8 is NOT included.

2種類のヴィンテージ(特定の年代)すなわち、1から5は黎明期〜初期のMC5、続いてロブ・タイナー・バンドというMC5の末裔。

5の "Borderline"は68年にシンクレアのプロデュースで制作、リリースされたEPのB面で、ここ以外には Thunder Express に収録されているだけ。これを入れた事により黎明期/初期にシングルでリリースされた音源が完璧に揃い、その点で当コンピレーション盤は多々ある編集盤中唯一のものである。

が、NKVDの仕事は結構いい加減で、例えば8の"19th Nervous Breakdown"は入ってない。確かにロブ・タイナー・バンドはこのストーンズのカバーを頻繁に演っていたが、とにかくここには未収録で、全8トラックのCDである。

また1〜5は「ジョン・シンクレアのプロデュース」とパッケージに書いてあるが、彼がプロデュースしたのは3と5だけ。

7の "Kick Out The Jam" (単数は誤り)にはわざわざ "Uncensored version" (無修正版)なんて注意書きがしてあるけれど、ロブは "Kick out the jams, everybody!" と言っている。誰も文句はないだろう。

このようにいい加減なNKVDレコーズで、自分は知識がないけれどフランスのレーベルらしい。ビクターがリイシューした Live Detroit 69/70 を最初にリリースしたのもこの会社である。あの盤でも半分以上のトラックの録音場所/年月が誤記されていた。しかしあのコンピレーション盤には唯一無二の Shakin' All Over が収録されていた。で、この Vintage Years でも9の"Down At The Bogaloo"はここでしか聴けないレア・トラックなのである。さらには「灰とダイヤモンド」と題された、MC5の誕生から解散までを要約したライナー・ノーツ(英語)が入っていて、これがなかなかの名文。Julien "Angel Face" Regoli なる人物の筆で最後は、
"The MC5 was reduced to cosmic dust." (MC5は宇宙の塵芥と帰した。)と締めくくられている。